会計×戦略思考:武田薬品工業さん

こんばんわ、ポイ積 純一郎です。

本日は5月11日に決算発表があったポイ積ポートフォリオの一角・武田薬品工業さんについて、ポイ積が過去に読んだ「会計×戦略思考」で仕入れた観点も踏まえて、見てみたいと思います。

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武田さんといえば、シャイヤー社の買収でメガファーマ入りした製薬業界の雄。とはいえ、メガファーマになり切れていないとのこ特集記事が日経新聞でも書かれていました。ワクチン関係では完全に出遅れた、というか土俵にも乗ろうとしなかったって。確かに、日本は完全に出遅れちゃいましたよね。

とはいえ、ポイ積大好きな鉄板180円配当は今後も継続する模様であり、応援を続けます。

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さて、「会計×戦略思考」で学んだもののうち、3つほど指標化して見てきたいです。同著ではニトリさんの数字がよく取り上げられていて、絶対王者感が凄かったので、ポイ積最強ポートフォリオの比較対象で掲載します。

 

①優良倍率(ポイ積命名

同著ではまずみるべきは「利益剰余金」としています。これは企業が稼いだ毎年の純利益が蓄積されていくところになり、いわゆる内部留保です優良企業であるほど、資本金の額(+借入金)は利益剰余金に比べて少ないことが多いそうです。よって以下の計算式で弾いた数字を、優良企業かどうかをみる指標として「優良倍率」と名付けました。

優良倍率=利益剰余金÷(資本金+借入金)

 

でこれを計算すると下表の通りとなります。

 

利益剰余金①

資本金②

借入金③

優良倍率

=①÷(②+③)

王者ニトリ

612,082

13,370

50,715

955.1%

大東建託

266,899

29,060

96,748

212.1%

武田薬品工業

1,509,906

1,668,145

22,153

89.3%

三菱商事

4,422,713

204,447

5,644,315

75.6%

Jパワー

514,401

180,502

1,643,623

28.2%

(単位:百万円)

利益剰余金もめっちゃデカいですが、借入金の少なさが際立ちますね。製薬業界は借入不要なんですか?新薬開発でお金入りそうなもんですが…。

いずれにしても三菱商事さん、Jパワーさんを上回る優良倍率です。やっぱりニトリさん、王者ですね。

 

②キャッシュリッチ率

「手元の現金・預金と有価証券の合計額が、売り上げに対して大きな割合を占めている企業がキャッシュリッチ企業。」との定義に従って算出。

 

現金・預金①

有価証券②

売上高③

キャッシュリッチ率

=(①+②)÷③

王者ニトリ

158,577

7,791

716,900

21.9%

武田薬品工業

966,222

0

3,197,812

30.2%

Jパワー

189,842

0

909,144

20.9%

大東建託

198,993

1,502

1,488,915

13.4%

三菱商事

1,465,905

0

12,884,521

11.4%

(単位:百万円)

武田薬品工業さんは、王者ニトリさんを上回るキャッシュリッチでした。こんだけキャッシュあったら借り入れも不要なのでしょうか。会計×戦略思考ではトヨタさんでも一応不要だけど借り入れはあって、銀行さんとうまく付き合うために借りるんですって。

 

③5年平均成長率

最後はやっぱり成長性を見ておきたい。これ将来に関わりますからね。

 

2020年度

売上高

2016年度

売上高

5年平均成長率

王者ニトリ

716,900

458,140

111.8%

三菱商事

12,884,521

6,425,761

119.0%

武田薬品工業

3,197,812

1,807,378

115.3%

Jパワー

909,144

780,072

103.9%

大東建託

1,488,915

1,411,643

101.3%

(単位:百万円)

これは完全にシャイヤー社の買収効果です。2019年度の売上実績が対前年比で150%を超える成長。シャイヤーの売上が丸々カウントされた影響です。買収も立派な成長戦略ですから、これはこれで良いと考えますがいかがでしょうか。この項目でも王者ニトリさんを上回りました。

 

さすがの武田薬品工業さん、王者ニトリさんを2項目で上回る製薬業界の雄たる会社さんですね。名実ともにメガファーマ入りして、ポイ積最強ポートフォリオを牽引いただきたいです。

 

決算シーズンですので、引き続き勉強も含めて3指標を追いかけていきます。