会計×戦略思考:中京医薬品さん

こんばんわ、ポイ積 純一郎です。

ポイ積最強ポートフォリオの決算発表が終わってしまいましたので、せっかくなので残骸株さんたちも会計×戦略思考で分析して一覧化してってます。今回はコロナ禍で全く上がらないコロナ株、中京医薬品さんです。

 

www.smgry.com

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新型コロナウイルス感染拡大による社会の大きな変化に対応し続け、その変化をチャン スにすることができた一年でした」と自画自賛系。市場で品薄となったマスクや消毒液などの衛生関連商品が売れ、エアーマスク等の除菌消臭関連商品の販売や、除菌アルコール商品や夏季向けのクールマスク、冬季向けの ホットマスクなどタイムリーな新商品も投入。さらに家庭や事業所等での感染予防に使われる非接触型アルコール用ディスペンサーなどもよかったそう。

 

結果、売上高は5,827百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益は225百万円(前年同期比216.8%増)、経常利益は238百万円(前年同期比174.9%増)と大きく伸ばしました。株価は反応しないけど。

 

株主還元=配当は、今期は記念配当2円を含む7円、来期はこれまで同様5円の配当を予定しているとのことで、全然増やす気はなさそうです。

 

さて、「会計×戦略思考」で学んだもののうち、3つほど指標化して見てきたいです。同著ではニトリさんの数字がよく取り上げられていて、絶対王者感が凄かったので、ポイ積最強ポートフォリオの比較対象で掲載します。

 

①優良倍率(ポイ積命名

同著ではまずみるべきは「利益剰余金」としています。これは企業が稼いだ毎年の純利益が蓄積されていくところになり、いわゆる内部留保です。優良企業であるほど、資本金の額(+借入金)は利益剰余金に比べて少ないことが多いそうです。よって以下の計算式で弾いた数字を、優良企業かどうかをみる指標として「優良倍率」と名付けました。

優良倍率=利益剰余金÷(資本金+借入金)

 

でこれを計算すると下表の通りとなります。

 

利益剰余金①

資本金②

借入金③

優良倍率

=①÷(②+③)

王者ニトリ

612,082

13,370

50,715

955.1%

帝国ホテル

42,763

1,485

0

2,879.7%

丸一鋼管

261,392

9,595

6,939

1,580.9%

大東建託

266,899

29,060

96,748

212.1%

NTT

7,068,008

937,950

4,455,724

131.0%

中京医薬

1,704

681

1,206

90.3%

武田薬品工業

1,509,906

1,668,145

22,153

89.3%

昭和化学

4,361

599

4,320

88.7%

三菱商事

4,422,713

204,447

5,644,315

75.6%

ENEOS

1,042,416

100,000

2,036,900

48.8%

Jパワー

514,401

180,502

1,643,623

28.2%

三菱HCC

571,459

33,196

4,094,553

13.8%

(単位:百万円)

けっこう良い位置につけます。利益剰余金が図体に対してたくさんあるし、今期は良かったんだから還元弾んでくれても良いのになぁ。

 

②キャッシュリッチ率

「手元の現金・預金と有価証券の合計額が、売り上げに対して大きな割合を占めている企業がキャッシュリッチ企業。」との定義に従って算出。

 

現金・預金①

有価証券②

売上高③

キャッシュリッチ率

=(①+②)÷③

王者ニトリ

158,577

7,791

716,900

21.9%

帝国ホテル

17,652

14,302

22,051

144.9%

三菱HCC

294,241

357,791

894,342

72.9%

丸一鋼管

81,877

15,544

161,138

60.5%

昭和化学

3,109

0

7,677

40.5%

武田薬品工業

966,222

0

3,197,812

30.2%

中京医薬

1,458

0

5,827

25.0%

Jパワー

189,842

0

909,144

20.9%

大東建託

198,993

1,502

1,488,915

13.5%

三菱商事

1,465,905

0

12,884,521

11.4%

NTT

935,727

0

11,943,966

7.8%

ENEOS

417,724

0

7,658,011

5.5%

(単位:百万円)

これもポジションは決し悪くないですね。ただやっぱりポイ積最強ポートフォリオメンバーと比べると売上やら持っている現金の桁が全く違いますね。

 

③5年平均成長率

最後はやっぱり成長性を見ておきたい。これ将来に関わりますからね。

 

2020年度

売上高

2016年度

売上高

5年平均成長率

王者ニトリ

716,900

458,140

111.8%

三菱商事

12,884,521

6,425,761

119.0%

武田薬品工業

3,197,812

1,807,378

115.3%

丸一鋼管

161,138

137,277

104.1%

Jパワー

909,144

780,072

103.9%

ENEOS

7,658,011

7,025,062

102.2%

三菱HCC

894,342

838,886

101.6%

大東建託

1,488,915

1,411,643

101.3%

NTT

11,943,966

11,391,016

101.2%

昭和化学

7,677

7,876

99.4%

中京医薬

5,827

6,127

98.8%

帝国ホテル

22,051

56,031

79.2%

(単位:百万円)

今期はマスクとかが爆発的に売れたのかもしれませんが、5年前と比較するとそれでも成長していない。この辺がポイ積最強ポートフォリオとの大きな差なのかもしれませんね。残骸株たちは減収傾向です。

 

最後に大逃亡さんを追加して次の決算期を待つことします。