会計×戦略思考:帝国ホテルさん

こんばんわ、ポイ積 純一郎です。

ポイ積最強ポートフォリオの決算発表が三菱HCCさんを除き終わりましたので、折角ですから我らが残骸株についてもシリーズで分析していきます。第1回は残骸株のエース格、帝国ホテルさんです。

www.smgry.com

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コロナ禍真っ只中で影響が大きいホテル業界ですが、帝国ホテルさんも同様に大打撃を受けております。売上は前年比で▲59.7%と半減以上のマイナス。営業利益は▲114億円となりました。そんな中で「サービスアパートメント事業」など新たなホテルの価値を届けるチャレンジをしておりますが…。配当も未定です。

 

もはやジリ貧で縮小均衡かと思いつつ、決算発表時に新ホテル計画を発表。2026年春に京都・弥栄会館を活用した新ホテルを開業するとのこと。110億円を投資するそうです。おっ帝国ホテル東京の建て替えもそうですが、じゃんじゃか投資しています。なんでと思ってみると、3指標、さすがの老舗でした。三井不動産とかにTOBされるの待って持っておいても良いかもですね☺️

 

さて、「会計×戦略思考」で学んだもののうち、3つほど指標化して見てきたいです。同著ではニトリさんの数字がよく取り上げられていて、絶対王者感が凄かったので、ポイ積最強ポートフォリオの比較対象で掲載します。

 

①優良倍率(ポイ積命名

同著ではまずみるべきは「利益剰余金」としています。これは企業が稼いだ毎年の純利益が蓄積されていくところになり、いわゆる内部留保です。優良企業であるほど、資本金の額(+借入金)は利益剰余金に比べて少ないことが多いそうです。よって以下の計算式で弾いた数字を、優良企業かどうかをみる指標として「優良倍率」と名付けました。

優良倍率=利益剰余金÷(資本金+借入金)

 

でこれを計算すると下表の通りとなります。

 

利益剰余金①

資本金②

借入金③

優良倍率

=①÷(②+③)

王者ニトリ

612,082

13,370

50,715

955.1%

帝国ホテル

42,763

1,485

0

2,879.7%

丸一鋼管

261,392

9,595

6,939

1,580.9%

大東建託

266,899

29,060

96,748

212.1%

NTT

7,068,008

937,950

4,455,724

131.0%

武田薬品工業

1,509,906

1,668,145

22,153

89.3%

三菱商事

4,422,713

204,447

5,644,315

75.6%

ENEOS

1,042,416

100,000

2,036,900

48.8%

Jパワー

514,401

180,502

1,643,623

28.2%

(単位:百万円)

な、なんと、絶対王者ニトリさん、ポイ積最強ポートフォリオ・ジミコツ株代表・丸一鋼管さんをも軽く上回る2800%!!しかもホテル事業、無借金です!!利益剰余金400億円強。この規模でこれだけの内部留保ある。

 

②キャッシュリッチ率

「手元の現金・預金と有価証券の合計額が、売り上げに対して大きな割合を占めている企業がキャッシュリッチ企業。」との定義に従って算出。

 

現金・預金①

有価証券②

売上高③

キャッシュリッチ率

=(①+②)÷③

王者ニトリ

158,577

7,791

716,900

21.9%

帝国ホテル

17,652

14,302

22,051

48.6%

丸一鋼管

81,877

15,544

161,138

46.3%

武田薬品工業

966,222

0

3,197,812

30.2%

Jパワー

189,842

0

909,144

20.9%

大東建託

198,993

1,502

1,488,915

13.4%

三菱商事

1,465,905

0

12,884,521

11.4%

NTT

935,727

0

11,943,966

7.8%

ENEOS

417,724

0

7,658,011

5.5%

(単位:百万円)

これもニトリさんと丸一鋼管さんを上回りました。ゲンナマで300億円あるわけですから、新ホテル計画も借入なしでも出来ますね。

 

③5年平均成長率

最後はやっぱり成長性を見ておきたい。これ将来に関わりますからね。

 

2020年度

売上高

2016年度

売上高

5年平均成長率

王者ニトリ

716,900

458,140

111.8%

三菱商事

12,884,521

6,425,761

119.0%

武田薬品工業

3,197,812

1,807,378

115.3%

丸一鋼管

161,138

137,277

104.1%

Jパワー

909,144

780,072

103.9%

ENEOS

7,658,011

7,025,062

102.2%

大東建託

1,488,915

1,411,643

101.3%

NTT

11,943,966

11,391,016

101.2%

帝国ホテル

22,051

56,031

79.2%

(単位:百万円)

これは致し方なしですかね。

ただ、昨年度の売上が540億円、その前が580億円ですから、2016年の560億円からそんなに上がりも下がりもしないって感じなんでしょうね。コロナの影響がなければ。

だから東京の建て替えとか、京都の新ホテルとかは、同社にとっては新たな収入をもたらす策となるかもしれません。

 

他の残骸株も見ていきますが、やっぱりポイ積最強ポートフォリオの会社さんたちとは規模感が違いますね。

決算シーズンですので、引き続き勉強も含めて3指標を追いかけていきます。