会計×戦略思考:ENEOSさん

こんばんわ、ポイ積 純一郎です。

本日は5月12日に決算発表があったポイ積ポートフォリオの二桁成長株・ENEOSさんについて、ポイ積が過去に読んだ「会計×戦略思考」で仕入れた観点も踏まえて、見てみたいと思います。

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コロナ禍の影響が大きい業界さんです。ジェット燃料やガソリンなどの販売量が大き減っていることもあり、売上は前期比24%減。それでも営業損益は前期の赤字から黒転。約2500億円の黒字決算になりました☺️

銅などの資源価格の上昇や国内の石油製品の利益率の改善が効いたようです。

 

 

 来期は売上が24%増で回復、営業利益も2%増の2600億円を見込みです。株主還元方針を堅持。総還元性向50%以上、1株当たり22円は下回らないこととしています。エネルギー業界は激変ですが、是非業界NO.1の我らがENEOSさんに牽引いただきたいです!

 

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さて、「会計×戦略思考」で学んだもののうち、3つほど指標化して見てきたいです。同著ではニトリさんの数字がよく取り上げられていて、絶対王者感が凄かったので、ポイ積最強ポートフォリオの比較対象で掲載します。

 

①優良倍率(ポイ積命名

同著ではまずみるべきは「利益剰余金」としています。これは企業が稼いだ毎年の純利益が蓄積されていくところになり、いわゆる内部留保です。優良企業であるほど、資本金の額(+借入金)は利益剰余金に比べて少ないことが多いそうです。よって以下の計算式で弾いた数字を、優良企業かどうかをみる指標として「優良倍率」と名付けました。

優良倍率=利益剰余金÷(資本金+借入金)

 

でこれを計算すると下表の通りとなります。

 

利益剰余金①

資本金②

借入金③

優良倍率

=①÷(②+③)

王者ニトリ

612,082

13,370

50,715

955.1%

丸一鋼管

261,392

9,595

6,939

1,580.9%

大東建託

266,899

29,060

96,748

212.1%

NTT

7,068,008

937,950

4,455,724

131.0%

武田薬品工業

1,509,906

1,668,145

22,153

89.3%

三菱商事

4,422,713

204,447

5,644,315

75.6%

ENEOS

1,042,416

100,000

2,036,900

48.8%

Jパワー

514,401

180,502

1,643,623

28.2%

(単位:百万円)

ポイ積最強ポートフォリオの中では今のところ下から2番目。借入金(含む社債)が2兆円を超えます。

 

②キャッシュリッチ率

「手元の現金・預金と有価証券の合計額が、売り上げに対して大きな割合を占めている企業がキャッシュリッチ企業。」との定義に従って算出。

 

現金・預金①

有価証券②

売上高③

キャッシュリッチ率

=(①+②)÷③

王者ニトリ

158,577

7,791

716,900

21.9%

丸一鋼管

81,877

15,544

161,138

46.3%

武田薬品工業

966,222

0

3,197,812

30.2%

Jパワー

189,842

0

909,144

20.9%

大東建託

198,993

1,502

1,488,915

13.4%

三菱商事

1,465,905

0

12,884,521

11.4%

NTT

935,727

0

11,943,966

7.8%

ENEOS

417,724

0

7,658,011

5.5%

(単位:百万円)

キャッシュ貧乏です😢

NTTさんの記録を更新し最下位。丸一鋼管さんの凄さが際立ちます。

 

③5年平均成長率

最後はやっぱり成長性を見ておきたい。これ将来に関わりますからね。

 

2020年度

売上高

2016年度

売上高

5年平均成長率

王者ニトリ

716,900

458,140

111.8%

三菱商事

12,884,521

6,425,761

119.0%

武田薬品工業

3,197,812

1,807,378

115.3%

丸一鋼管

161,138

137,277

104.1%

Jパワー

909,144

780,072

103.9%

ENEOS

7,658,011

7,025,062

102.2%

大東建託

1,488,915

1,411,643

101.3%

NTT

11,943,966

11,391,016

101.2%

(単位:百万円)

この数字は実は立派。今年度コロナ禍の影響をモロに受けた業種で、売上は約25%減です。

昨年度の実績と同じ売上を稼げていた場合には110%を超えるCAGR(年平均成長率)でしたから、成長しています。来期は25%近く伸ばす=元の水準に戻すことを見通しているので、ここは期待していきましょう☺️

 

優良比率・キャッシュリッチ率ともに苦しい状況でしたが、成長性に期待を込めたいです。脱炭素にしっかりと対応してエネルギー業界をリードして欲しい!

 

決算シーズンですので、引き続き勉強も含めて3指標を追いかけていきます。