会計×戦略思考:三菱商事さん

こんばんわ、ポイ積 純一郎です。

本日はGWの谷間に決算発表があったポイ積ポートフォリオの一角・三菱商事さんについて、ポイ積が過去に読んだ「会計×戦略思考」で仕入れた観点も踏まえて、見てみたいと思います。

www.smgry.com

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 今回の三菱商事さんの決算発表において、やや裏切られた感があるのは、「累進配当」の考え方。累進配当の考え方が増配ではなく、来年度も今年度と同じ配当額である134円と据置になっている点が、ややというかだいぶ気になっております。

 

さて、「会計×戦略思考」で学んだもののうち、3つほど指標化して見てきたいです。同著ではニトリさんの数字がよく取り上げられていて、絶対王者感が凄かったので、ポイ積最強ポートフォリオの比較対象で掲載します。

 

①優良倍率(ポイ積命名

同著ではまずみるべきは「利益剰余金」としています。これは企業が稼いだ毎年の純利益が蓄積されていくところになり、いわゆる内部留保です優良企業であるほど、資本金の額(+借入金)は利益剰余金に比べて少ないことが多いそうです。よって以下の計算式で弾いた数字を、優良企業かどうかをみる指標として「優良倍率」と名付けました。

優良倍率=利益剰余金÷(資本金+借入金)

 

でこれを計算すると下表の通りとなります。

 

利益剰余金①

資本金②

借入金③

優良倍率

=①÷(②+③)

王者ニトリ

612,082

13,370

50,715

955.1%

大東建託

266,899

29,060

96,748

212.1%

三菱商事

4,422,713

204,447

5,644,315

75.6%

Jパワー

514,401

180,502

1,643,623

28.2%

(単位:百万円)

利益剰余金もめっちゃデカいですが、借入金・社債もめっちゃデカい。それでもJパワーさんは上回る有料倍率です。やっぱりニトリさん、王者ですね。

 

②キャッシュリッチ率

「手元の現金・預金と有価証券の合計額が、売り上げに対して大きな割合を占めている企業がキャッシュリッチ企業。」との定義に従って算出。

 

現金・預金①

有価証券②

売上高③

キャッシュリッチ率

=(①+②)÷③

王者ニトリ

158,577

7,791

716,900

21.9%

Jパワー

189,842

0

909,144

20.9%

大東建託

198,993

1,502

1,488,915

13.4%

三菱商事

1,465,905

0

12,884,521

11.4%

(単位:百万円)

キャッシュはこれまで研究している会社さんでは1番の貧乏です。

 

③5年平均成長率

最後はやっぱり成長性を見ておきたい。これ将来に関わりますからね。

 

2020年度

売上高

2016年度

売上高

5年平均成長率

王者ニトリ

716,900

458,140

111.8%

三菱商事

12,884,521

6,425,761

119.0%

Jパワー

909,144

780,072

103.9%

大東建託

1,488,915

1,411,643

101.3%

(単位:百万円)

これはものすごい成長率!と思って調べてみると、2018年度に売上がほぼ倍になっていて、会計基準を変更したことによるものと思われます。これをどう剥がしたらよいのかわからないので、仕方ないですがこのままにしておきます。

いずれにしても、どの数字を切り取ってみても、これまで見てきた3社とは桁違いのボリュームで、流石に三菱財閥の中核会社という風に感じました。

 

決算シーズンですので、引き続き勉強も含めて3指標を追いかけていきます。