越えていく人

こんばんわ、ポイ積 純一郎です。

「越えていく人」という本を読みました。サブタイトルにある「南米、日系の若者たちをたずねて」の通り、南米のペルー、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、ボリビア、5カ国の日系人を訪ね歩く紀行です。

 

ポイ積は、自分の興味がある、例えば歴史本だとかビジネス本に偏らないように、あらゆるジャンルの本を読むことを心がけているのですが、その主な情報入手先は新聞、雑誌の書評です。この「越えていく人」は日経新聞に出ていました。

 

趣味:読書のポイ積ですが、こういう本を読んだ後に、その趣味の良さに気付きます(自画自賛)。知らない世界に本を読むだけで飛び込んでいける感じ、今回でいえば、著者の体験を通じて、一人で南米を歩いた感じがしました。

 

著者は1982年、ペルーの首都リマに生まれ生後半年で渡日、神奈川県で育ち、早稲田大学在学中に「岡崎藝術座」を立ち上げ、現在は東京・京都を拠点に劇作家、舞台演出家として活動されています。

 

彼の生い立ちが、日本人(沖縄県)の両親を持つペルー生まれ、先祖が沖縄からペルーに移住した日本人ということで、彼は日本で育ったものの多くの日系人同様、そのまま南米で育っていたかもしれない、そんなことを思いながら、日本人とは日系人とはみたいなことを、南米の日系の若者たちに問う旅でした。

 

この本に出会うまでは、日本人の南米移住の物語に触れることはなかったですし、大正から昭和にかけてこのような大規模な移住政策があったことも知らなかったので、初めて知る日本の近代史という感じで、読んで良かったと思います。

 

ジワジワくるこの感覚を共有したい、そんな一冊です。

(読書記録22)