両利きの組織をつくる

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こんばんわ、ポイ積 純一郎です。

加藤雅則さん、チャールズ・A・オライリーさん、ウリケ・シューデさん共著の「両利きの組織をつくる」との本を読みました。

 

オライリーさんはスタンフォード大学経営大学院の教授様で「両利きの経営」の提唱者、シューデさんはカルフォルニア大学・サンディエゴ校 グローバル政策・戦略大学院の教授様で日本企業論の専門家です。加藤さんは、これらの方々から学び、組織開発に関するコンサルタントをやられています。

 

この本では、旧旭硝子、現AGCの事例をビジネスケースのように進めながら、「両利きの経営」への学びを深めていきます。「大企業病を打破する『攻めと守りの経営』」とのサブタイトルがありますが、ディスラプション(破壊)の時代を生き抜くために、「脱皮できない蛇は死ぬ」、どのように古いものと新しいものを両立させていくのかを説いた本です。

 

まさにポイ積の業界も、ポイ積の会社もディスラプターに仕掛けられたらあっという間に駆逐されてしまうという危機感を持って取り組んでいますが、この本にも記載があった通り、「希望」を胸に改革をしていきたいと思いました。

 

以下のメモはネタバレにもなりますので注意です。

  • 「成功の罠」、成功してきた組織には、「惰性の力」が働くという運命がある。過去の経営環境に過剰適応してしまった結果、環境が激変する局面では適応できず、衰退してしまうという法則。
  • 本当に組織を変えるつもりならば、まず組織の何を変えるのかについて当事者間で合意する必要があるだろう。「新しく何を始めるのか」「そのために何を止めるのか」、その一方で「何を引き続き継続(強化)するのか」。
  • 「社員がいきいきと働ける組織」「風通しのよい企業文化」といった話題には、甘っちょろい話と一蹴するような反応をする人も少なくない。「組織軽視」の経営は、例え戦略が優れていて一定の成果を上げたとしても、従業員を疲弊させてきた可能性が高い。一方で、「働き街を感じられる職場づくり」など、組織改善に関心を持つ人々の間では、しばしば「戦略軽視」の傾向が見られる。
  • 既存事業の「仕事のやり方」はこのままで良いのか?探索事業における「仕事のやり方」とは何か?「これまでの仕事のやり方」と「これからの仕事のやり方」を併存させる「仕事のやり方」とは何か?
  • 業態転換を成し遂げた富士フィルムとよく対比して語られるのが、米コダック社だ。富士フィルムのライバル企業であったコダックは2012年に倒産した。デジタル化への対応が遅れたためと言われている。企業活動が「深堀り」に偏り「探索」を怠ったために、時代の変化に適応できなかったのだ。
  • 合理的判断では片づけられない想いや精神的な痛みがしばしば改革の壁になる。
  • 問わなければいけないのは、「何があればできると思うのか」「何がどう変わったらできそうか」という問いだ。
  • 組織を動かすのは危機意識よりも希望である。未来への希望があればこそ(こうなれるかもしれないという道筋が見えるからこそ)、難しいチャレンジや厄介な問題に向き合えるのだ。
  • 「自己一致感」を生み出す鍵は、「自分も問題の一部である」というトップの自覚だろう。

 

良い本を読みました☺️