読書記録③:NO RULES

こんばんわ、ポイ積です。

ネットフリックスに関する「NO RULES」を読みました。NetflixのCEOリード・ヘイスティングスと「異文化理解力」の著者エリン・メイヤーの共著。

実はポイ積は、フランスにある一流ビジネススクールINSEAD」のエグゼクティブ短期コースに1ヶ月間通っていたことがあり、そのコースの一つでエリン・メイヤーさんの講義を受ける機会がありました。正に異文化に関する講義で、日本人の代表として指されたのを覚えています。

大変面白い講義でしたが、本編についてもエリン・メイヤーのインタビュー方式のような形で、リードが創りあげたNetflixに流れる他とは違う企業文化に迫りその成長力の源泉を解き明かしていく良著です。

終章では、エリン・メイヤーのカルチャー・マップという枠組みを使い、各国の文化とNetflix文化の比較を行う、その中では日本文化にも深く入り込んだ比較・エピソードもあり、興味深いものでした。特に日本人の苦手な「率直なフィードバック」を日本拠点で如何に根付かせるのか、などはなるほどと思える内容でした。

 

以下はポイ積がメモったノートです。

  • スティーブ・ジョブスの有名なスタンドフォード大学卒業式でのスピーチ。「先を見通して点と点を結びつけることはできない。点と点は後から振り返って初めて、結びつくものだ。だから、いずれどうにかして点はつながるのだと信じなければならない。自分の直感、運命、人生、カルマなど、何でもいい。何かを信じるんだ。私の場合、この方法でずっとうまくやってきたし、それは人生に大きな違いをもたらしてくれた。」
  • ヴァージン・グループ創業者、リチャード・ブランソンのモットーは「ABCD」(Always Be Connecting Dots.=常に点と点をつなげ)。
  • 最高の職場とは才能豊かで協調性のある仲間と働く喜びこそがその条件だ。自分を高めてくれるような仲間である。全員が優秀であれば、社員が互いに学び合い、モチベーションを刺激し合うので、パフォーマンスは限りなく向上していく。
  • パフォーマンスは質の高低にかかわらず伝染する。
  • 最高の同僚とは、とびきりクリエイティブで、次々と重要な成果を挙げ、協調性に富む優秀な人材であり、しかも集団として多様なバックグラウンドと視点が確保されている状態を意味する。
  • 相手に面と向かって言えることしか口にしない。
  • フィードバック・ループはパフォーマンス改善に最も有効なツールの一つだ。チームワークの一環として日常的にフィードバックを組み込むと、社員の学習速度や仕事の成果が高まる。フィードバックは誤解を防ぎ、互いに共同責任を追っているという意識を生み出すのに役立つとともに、組織の階層やルールの必要性を低下させる。
  • 私はクリエイティブな仕事の価値を時間で測るのはおかしいと思っていた。この仕組みは、今は機械が担うようになった仕事を人間がやっていた工業時代の遺物だ。この情報化時代に重要なのは、何時間働いたかではなく、何を達成したかだ。
  • 社員がどれだけ休暇を取得するかは、上司と同僚の休暇の取り方に大きく左右される。リーダーとして何をいうかが全てではない。部下はリーダーの実際の行動を見ている。部下に「持続可能で健康的なワークライフバランスを見つけて欲しい」と言いつつ、自分が1日12時間働いていたら、部下はその行動を真似るだろう。
  • 仕事で最高の成果を出していれば、誰も何も言わない。
  • 自由は責任の対極にあると考えていたが、実際には自由は責任に至る道であることが、ようやくわかってきた。
  • 優秀な人材の鼻先に札束をぶら下げておけば一生懸命働く、という考えに私は同意しない。優秀な人材はもともと成功したいという意欲があり、鼻先にボーナスがぶら下がっていようがいまいが、全力を尽くすものだ。
  • ウォーキング・ミーティングに出かけた。Netflix・ハリウッドの建物の周囲をぐるっと1周するのだ。
  • 秘密を打ち明け、率直に語ることのメリットを知ったからだ。
  • 企業において最も深刻な問題は、事業がどのような仕組みで動いているかを誰もわかっていないことだ。野球のルールも説明せず、社員を試合に送り込んでいるような状況だ。社員は一塁から二塁へ盗塁しようとするが、試合全体の流れが今どうなっているかはまるで理解していない。
  • 失敗したプロジェクトから何を学んだのか、と聞いた。
  • 強い熱意、一体感、仲間意識を醸成しつつ、各ボジションに最高のプレイヤーがいる状態を維持するためには、厳しい決断も常に求められる。私たちはチームであって、家族ではない。
  • 能力が高い社員が集まっているなら、自由への要望は高く、コンテキスト(条件設定)によるリーダーシップの下で力を発揮するだろう。
  • 部下が何か馬鹿げたことをしたら、部下を責めてはいけない。自分の設定したコンテキストのどこがまずかったのか、考えてみよう。自分の目標や戦略を正確に、かつ創意工夫を促すような形で伝えただろうか。チームが優れた判断を下せるように、様々な前提条件やリスクを明確に説明しただろうか。ビジョンや目的に対してあなたと部下の足並みは揃っているだろうか。
  • 社員に何をすべきか指示するのではなく、彼らが優れた意思決定をできるように、あらゆるコンテキストを提供し、議論を重ね、しっかり足並みを揃えよう。
  • ブラジルでは、ランチタイムは同僚と友情を深める時間だ。毎日のランチタイムでは、片付けるべき仕事のことは忘れて、お互いをよく知ろうとする。この時間を通じて培われる信頼は、仕事を連携して進める上でとても重要だ。
  • 一貫性や再現性は会社に利益を生むどころか、斬新な発想を押しつぶす可能性が高い。