🐘アフリカ長期投資のすすめ🦒(日本株でアフリカ投資)

こんばんわ、ポイ積 純一郎です。

アフリカ投資に興味を持つポイ積、一生懸命調べてみました。アフリカの成長を個人の資産の成長に取り込む。魅力的に感じます✨まずは日本株で編です。おすすめの3銘柄を掲載しました。

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アフリカの魅力

アフリカ大陸は、平均年齢が19.7歳と世界で最も人口が若く、アフリカ大陸自由貿易圏といった新たな貿易枠組みの運用も始まるなど、生産拠点としても消費地としても中長期的な成長潜在力が極めて大きい地域です。2050年には現在12億人の人口が20億人に拡大することが見込まれています。こうしたことから「最後のフロンティア」と呼ばれ、その成長性やポテンシャルに世界から期待が集まっています。政情不安、財政難などの課題を抱える地域もある一方、全体として民主化が進み、安定的な経済成長を見込めるようになってきました。

 

 

「超加速経済アフリカ」でも触れられているように、アフリカ諸国では段階的な発展を飛ばした最先端技術の活用・展開、いわゆる「LEAPFROG(リープフロッグ)」と呼ばれる現象がしばしば起き、一足飛びの成長が加速しています。

 

同著では、日本人が持つアフリカに関する誤った認識をファクトフルネス方式で正していくのですが、知れば知るほど日本企業もアフリカの成長に乗り遅れてはいけないと強く感じるものの、既に中国などの進出には大きく遅れており、待った無しの状況です。

 

とはいえ、そんな状況でも過去からアフリカに進出して一定の成果を上げている、プレゼンスを発揮している企業も少なくありません。また投資の世界では、日本企業だけでなく外国企業に投資することで、アフリカの発展を資産の成長につなげることもできます。

 

よってこのブログでは、アフリカ進出して成果を上げる将来有望な日本企業、外国企業、またアフリカ関連株に投資する投資信託ETFなどを特集します。

ポイ積がSMBC日興証券のキンカブで積み立てている、おすすめの日本株3社です☺️

やや長いので、3社の『業績に与えるインパクト』だけでも読んでくれると良いですね😙

 

豊田通商

トヨタ系の総合商社大手。2006年にトーメンと合併。鋼板、部品などの自動車関連事業が主力ですが、非自動車分野も強化しており、再生エネにも強い企業です。総合商社の中のみならず、日本企業の中でもアフリカビジネスで先行しており、まず取り上げます。

アフリカ進出の歴史

豊田通商のアフリカ進出の歴史は古く、1920年代に遡ります。始まりは1922年に手掛けたウガンダでの綿花の輸入だそうです。

1960年代からは自動車の取り扱いを開始。完成車輸出から現地販売、販売金融、中古車販売、小規模生産など自動車事業のバリューチェーンを拡大していきます。

自動車以外の分野でも、エジプトの発電所関連事業、ケニア地熱発電所建設や、配合肥料の生産・販売事業も開始し、アフリカ東・南部を中心に存在感を高めてきました。

アフリカ地域への更なる注力目指した豊田通商は、2012年フランス最大の商社CFAO(セファオ)社へ2,345億円で資本参加します。これは豊田通商にとっては過去最大級の投資案件となりました。CFAO社は1850年代からアフリカのフランス語圏を中心にプレゼンスを高めてきた会社です。2016年には同社を完全子会社化しました。

2017年には豊田通商社内のアフリカ関連事業を統合・集約して、同社では初の地域軸本部である「アフリカ本部」を新設します。アフリカへの熱の入れようが違います。

2019年にはトヨタのホーム&アウェイ戦略に基づいて、同社のアフリカ市場における営業業務を豊田通商・アフリカ本部に全面移管。

『ホーム&アウェイ戦略』とは、ホーム&アウェイの視点でグループ全体の事業を再構築していくというトヨタの戦略です。「ホーム」とは、「現地現物」で、自分たちで付加価値をつけることができ、競合と比較しても競争力で勝っている事業や地域のこと。「アウェイ」とは、専門性において、トヨタグループよりも競合相手の方が多くの優位性をもっている事業や地域を指します。そしてトヨタ単体で見れば、アウェイと位置づけられる事業であっても、グループで見ればホームとして強みにしている会社がある、すなわちアフリカに関しては豊田通商に強みがあるため、こうした視点からグループベースでアフリカ事業の最適化を行いました。

 同じく2019年、CFAO社と共同でアフリカ全54カ国のモビリティ関連スタートアップに投融資するファンド「モビリティー54」を設立。投資規模は50億円に過ぎないものの、アフリカの成長次第では、将来兆円単位のビジネスに成長する可能性もあります。

現在ではアフリカ全54カ国へのネットワークを有し、158社のグループ企業、総勢約22,000名の従業員で多彩なビジネスを展開しており、この規模は日本のアフリカビジネスでは最大。今後アフリカの成長と共にさらに大きく成長していくポテンシャルを秘めています。

 

アフリカ事業

豊田通商は投資家説明会等でも明確に「アフリカ戦略」を掲げており、四本柱の一つとしているほど他企業との腰の入れ方が違います。

アフリカでは大きく4つのSBU(Strategic Business Unit)と言われるユニットで事業展開しています。アフリカ全土の販売ネットワークを活用した事業展開に取り組む自動車SBU、CFAO社で70年の歴史のある医薬品卸をベースに事業拡大を狙うヘルスケアSBU、飲料やボールペンなどの消費財現地生産やリテール事業を展開する消費財・生活産業SBU、再生可能エネルギーや港湾事業を推進するテクノロジー&エネルギーSBU。

 

自動車SBU

アフリカ全土を網羅する販売ネットワークを構築し、マルチブランドを取り扱っていることが強みとなっている。この事業では、各国政府が求める小規模生産事業(CKD)の推進と自動車部品の現地調達など、現地生産の活性化に注力しています。

また新たなサービス形態として注目されるMaaSの分野でLEAPFROG(リープフロッグ現象)を取り込むために、モビリティー関連スタートアップ企業への出資に特化した投資事業会社「モビリティー54」を設立。アフリカで活動する革新的なサービスやデジタル技術を持つ現地企業に投資し、自動車に止まらず、輸送・物流、保険、決済の提供をワンストップで提供する試みを行なっています。

自動車・二輪車を中心としたアセットファイナンス事業を展開する企業やケニアの物流マッチングサービス、マリのバイクタクシー事業、ルワンダカーシェアリング事業などに加え、「テレマティクス保険」のシステムを提供するケニアの企業や、アフリカ10カ国でデジタル決済を提供するパリに本社を置く企業など幅広く投資を行なっています。

 

「超加速経済アフリカ」でも触れられていますが、アフリカのデジタル決済はまさにLEAPFROGであり、ほとんどの人が銀行口座を持っていないのに、決済は全て携帯電話によるデジタル決済という奇妙な状態が普通化しています。

東アフリカでは日本車のシェアが軒並み70%以上、ケニアでは中古車の8割がトヨタ車といった状況であり、高いプレゼンスを活かしながらモビリティ分野での成長を更に取り込んでいくことが期待されます。

 

ヘルスケアSBU

グローバルヘルスに関する取り組みでは、途上国におけるワクチンのラストワンマイル輸送手段として期待されるワクチン保冷輸送車案件(WHO 認証取得)や医療施設に血液製剤などを届けるドローン物流事業を展開する企業との協業などを推進しています。

また医療・福祉分野におけるモバイルICTソリューションの提供をしている(株)アルムと提携、豊田通商が展開する医療機関と、周辺医療施設をアルムが開発・提供する医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」でつなぎ、遠隔での医療交流を実現させる取り組みを行います。CFAO SASの子会社がアフリカのガーナ・ナイジェリアで運営するクリニックEuracareを「Join」でつなぎ,両施設の専門的知見の交換による医療サービスの向上,遠隔診療を実施していきます。

消費財・生活産業SBU

カルフール社と提携したショッピングモール・スーパーマーケット運営事業、ハイネケン社との合弁ビール製造事業など、アフリカで台頭する中間層のニーズに応える事業を積極的に展開しています。

 

テクノロジー&エネルギーSBU

エジプト初の風力発電 IPP事業の運営、ケニアでの地熱発電や同国未電化地域のミニグリッド事業、ナイジェリアの太陽光発電など、再生可能エネルギーへの取り組みを強化しています。さらに、ケニアモンバサ港へのハイブリッド型クレーン供給、アンゴラ・ナミベ港の開発など、地域の経済発展に不可欠な物流インフラ整備を通じてアフリカの成長に貢献しています。 

 

アフリカ事業の業績に与えるインパク

21年3月期の連結純利益1,346億円のうち、実に11%に当たる153億円をアフリカビジネスで稼ぎ出しています。今後もアフリカの成長と共にこの割合が上がっていくことも期待されます。

長期投資の観点で豊田通商の10年チャートを見てみます。

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今後のアフリカの成長を取り込み、さらに株価も育てていくことが出来るでしょうか。

 

(出典:豊田通商ホームページ)

 

カネカ

樹脂や塩ビ、合織、業務用の食品油脂など事業多彩な化学メーカーです。「超加速経済アフリカ」の中で女性用ウィッグ「カネカロン」で大成功していると紹介されています。カネカのアフリカ事業について調べていきます。

 

アフリカで女性用「ウィッグ」が売れる理由

アフリカの女性たちは基礎化粧品をあまり使わず、最も気を使うのが髪の毛です。その髪はそのままでも自然で美しいのものの、カールの強い髪は、櫛をとかすのが大変など、不便な面もあり、彼女たちの生活が豊かになるにつれて、より手軽にヘアスタイルが楽しめるアイテムとしてウイッグやエクステンションが普及しました。ヘアスタイルのバラエティが豊かなうえ、忙しい生活の中でも短時間で身だしなみを整えることができ、アクティブに活動する助けになるという利点があります。しかも彼女たちは、月の収入の10%近くを髪の毛のために使います。とはいえ人毛を使ったウィッグは高価なので、カネカが作るような人工毛髪が安価で重宝されるようになりました。

カネカロンは難燃性で、他社が真似できない技術を持っていることから、アフリカの中で大きなシェアを獲得するに至っています。

アフリカの文化とカネカの技術がマッチして、「カネカロン」の大躍進につながっています。

 

アフリカ進出の歴史と今後

カネカがアフリカに進出したのは、30年以上前に遡る1983年。ニューヨークに出張していたカネカの営業マンが、セネガルから来た黒人がカネカロンのつけ毛を大量に買い込んでいるのを目撃し、すぐその足でアフリカに飛んだのが始まりだそうです。

その後、アフリカの文化を自らの足で調査し、販路を拡大していきました。30年前にアフリカの超加速を予想していた人がいたでしょうか。今でさえ多くの日本人にアフリカへの正しい認識はありません。そこから現在の市場を築いていったカネカの方々には頭が下がる思いです。

現在ではカネカロンの市場シェアは50%を超えているそうです。そしてカネカは現在でもアフリカでの市場調査、新商品の投入等、抜かりがありません。

日本製のカネカロンは消費者の憧れにもなっていて、今後アフリカが今よりも裕福になり、人口が爆発的に増えていく中でさらにカネカロンも成長していくものと期待されます。

 

アフリカ事業の業績に与えるインパク

決算資料等からアフリカ事業のみを記載したものがないため、正確なインパクトは分かりません。一方でカネカが大きく分けて4つのセグメントごとであれば、成績がわかります。

その中で「カネカロン」の事業は「Quality of Life Solutions Unit」に属しており、決算説明資料でも「アフリカ向け頭髪製品の販売順調」と特記されています。

コロナ禍の影響もあって落ち込んでいた売上・収益も2020年度の第三四半期から順調に回復し、現在は大幅増の状況とのことです。

2021年度第一四半期の成績を見ると「Quality of Life Solutions Unit」の売上は409億円(前年同期比+37.4%)、営業利益46億円(+270.9%)となり、全体に対しては売上の25%、営業利益は40%を占めます。なお、営業利益は主要4ユニットの中で最も高い伸びを示しています。

このように見てみると、さらにアフリカが発展していく中で「Quality of Life Solutions Unit」の存在感もさらに高まってくることが想定されます。

10年の株価の動きを見てみます。

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現在はピークの状況にはありませんが、アフリカの成長と共に株価の成長を期待して長期投資していくことも検討するに値します。

 

(出典:カネカホームページ)

 

 

ヤマハ発動機

アジア、特にインドネシアを中心に販売を伸ばす二輪車で世界3位の大手企業。電動自転車なども手かげています。ヤマハ発動機のアフリカビジネスは何かというと、「超加速経済アフリカ」で紹介されているのは「船外機」です。タコ漁に使われるボートの後ろにつけるプロペラ船外機で、75%の圧倒的なシェアを誇ります。

 

アフリカ進出の歴史と現在

ヤマハ発動機は1960年代にアフリカへ進出し、船外機や小型浄水装置などを手掛ける。アフリカに向けたODA(政府開発援助)で、船外機製品が選ばれたのを契機に、「売りっぱなしではいけない」と、現地のユーザーに船外機の使い方を教えたり、特約店における部品の供給体制やアフターサービス網などを地道に築いていきました。

その後、自動二輪車の販売なども手掛けるようになり、1991年には、事業部を横断して新興国ビジネスの窓口となる「海外市場開拓事業部」を設立し、着実にアフリカ諸国でのビジネスを拡大していきました。

現在ではアフリカ大陸全54ヵ国のうち52ヵ国で事業を展開し、BOPビジネスの展開に力を入れています。ブランド認知を向上させて将来の二輪車・船外機ビジネスにつなげる狙いがあるからです。

主に①クリーンウォーター装置による水浄化ビジネス、②点滴灌漑システムによる農業支援活動、③漁業関連製品の販売と教育による支援活動の3種類のBOPビジネスを展開しています。

 

近年の新たなアフリカビジネス

近年では、宅配サービス、金融サービス、ドローンを用いたエアサービスなど、更に幅広い領域で新規事業開発を進めていますが、最近のアフリカに関する新たなニュースは2019年に集中しています。

 

2019年6月、ナイジェリア発の二輪配車プラットフォーマー・マックスが実施した3度目の資金調達に参画。同社は、2Cの二輪タクシーアプリ事業の他、2Bのデリバリー・技術提供も行っています。2015年の設立以降、これまでナイジェリアの首都ラゴスにて1000名以上のドライバーによって、100万回以上の配車を提供しており、JumiaやNestleなどを法人顧客に持っています。

また、東アフリカのウガンダでは、二輪車による荷物の配送サービスを手掛けるクーリエ・メイトとの協業が決定。ヤマハ発動機がITを使用した配送システムを築き運営の効率化を図ります。

その他にも、同年12月、東アフリカで最大の小売店網プラットフォーム構築を目指す東京大学発のスタートアップ企業WASSHA(ワッシャ)と共同で、同社のタンザニアにおける小売店網プラットフォームを活用した物流事業の実証実験を開始することを発表しました。同社が2019年11月に完了したシリーズBラウンドの資金調達にもヤマハ発動機は参画しています。

 

アフリカ事業の業績に与えるインパク

IR等の資料からはアフリカ事業そのものの規模感は伝わってきません。一方、2019年に行われれた日高社長の「アフリカ事業説明会」で、今後10年間でアフリカでの売り上げを倍に引き上げるとともに、将来的には現在の主要市場である欧米やインドネシアに匹敵する規模になるとの見通しを示しました。

当時の発表ではアフリカでの事業規模は年間100億円。これに対し主要市場であるアメリカが4000億円、ヨーロッパとインドネシアがそれぞれ3000億円前後となっていました。2030年までの時間軸で事業規模を倍(=200億円)、その後3000億円〜4000億円の規模にまで育てるとの話です。

10年の株価の動きを見てみます。

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この10年間、上げ下げを繰り返しています。

ヤマハ発動機でのアフリカビジネスの見通しが現実のものとなった時、この株価がどのように反応していくのか。興味深いところです。長期投資の観点で、候補銘柄の一つにされてはいかがでしょうか。