大袈裟な「アマテラスの暗号」

こんばんわ、ポイ積 純一郎です。

「アマテラスの暗号」という小説を読みました。

 

ゴールドマン・サックスデリバティブ・トレーダーだった著者の処女作です。

内容的にここに記載をしてしまうとネタバレが多くなってしまうので控えますが、小説家としては表現が稚拙すぎて、今いっちょすぎました。「驚いた」「驚愕の」「恐る恐る」など、普通そんな反応する?っていうぐらい大袈裟な表現や、下手くそな人間描写が嫌というほど出てくる。

 

ちなみにランダムに開いた一つのページだけでも、「慌てて〜見た」(←別に慌てて見る必要ない)、「困惑の表情で〜睨んでいる」(←大袈裟)、「動転しながら〜見る」(←別に動転する必要ない。大袈裟。)、「驚嘆の目に変わっていた」(←大袈裟。そんな驚く必要ない。)、「ハッと息を呑む」(←呑まないでいい)、「緊張感が最高潮に達した」(←実際なら全く緊張できない場面)、「その場に茫然としていたが」(←こんなので茫然とするとかどんなメンタルだよって感じの場面)、「我に返った」(←本当に我を失っていたの?って場面)、どこもかしこも万事こんな具合です。

 

しかも殺人事件に発展するほどの事か?っていうぐらいストーリー設定が無理筋。ダ・ヴィンチ・コードを真似てるっぽいんだけど、素人感が満載で、期待の新人デビューって感じではなかった。

 

って一定程度ディスった感じなのですが、「アマテラスの暗号」というタイトルにある通り、日本神話や天皇家のルーツの謎などに迫る考察だけを追っていくことに集中すれば、そこそこ面白い。

イザナギイザナミだとか、スサノオ、ニニギ、ホホデミヤマトタケルなどちょっとは聞いたことはあるけど、詳しくは知らないことについて、写真や図解などを数多く用いて(小説風に)説明している点は面白かった。

 

読後に調べて見ると「日ユ同祖論」という説が本当にあり、神道のルーツがキリスト教であるといった説などと共に、ぐじゃぐじゃになって小説化した感じです。

 

こうした説に興味があれば、小説としてではなく、調べもの、資料集として読むと良いと思います。

(読書記録⑯)