こんばんわ、ポイ積です。
今日は日経新聞でも連載をされておりました「業平」を読了しましたので、その記録を残したいと思います。
正直のところ、期待をしていたよりも物凄く良い作品でした。平安時代に成立した日本の歌物語である「伊勢物語」を現代小説化したものです。そもそも伊勢物語という日本を代表する歴史的な歌物語にどんなことが書いてあるのかを、日本人として知ることが出来て良かったというのがまず持っての感想。学校の歴史の時間では必ず習っていると思いますが、読みにくいであろう昔の文章を、このように現代小説にしていただいていることで、日本の代表文学に触れることが出来た。
現代小説風にしているとはいえ、和歌は頻繁に挿入され時代考察などもしっかりされており、どっぷりと歴史に触れることも出来ます。
伊勢物語は、タイトルにもある平安時代に初期に実在した貴族、在原業平を主人公としているとされ(伊勢物語には主人公の名は明記されず多くは「むかし、男(ありけり)」と述べられる)、この小説「業平」は伊勢物語に沿って業平の恋愛を中心に書き述べられています。
在原業平は、ご存知の方も多いと思いますが、六歌仙・三十六歌仙の一人で、平城天皇の孫、当時においては超イケメン・好色プレイボーイの貴族だったようです。
女性にあっては口説きまくり共寝(←こういう表現を使ってます)チャレンジをする姿は、なんだか笑えるぐらい奔放でした。その中でも高子姫(天皇のお妃)や伊勢斎宮との密通は当時では完全なる超大スキャンダル、禁忌であり、まさに奔放そのもの、だけど官位は上がってくみたいな島耕作を上回るお方だったようです。
とにかく恋多きイケメンだったようですが、なぜ彼の和歌が後世に残っていったのかという点にはこれらの恋が切っても切れない縁になっていたり、最後に側に仕えた「お伊勢」さんとのやりとりで語った「最上の恋」と「二種類の恋」は思わずなるほどと言わされるぐらい現代にも通ずる話で、最後はポイ積たまらなく涙してしまいました。
というこうとで、大変素敵な小説に触れさせていただき、満足度の高い読書でございました。
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