良い戦略 悪い戦略

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こんばんわ、ポイ積 純一郎です。

リチャード・P・ルメルトさんの「良い戦略 悪い戦略」という本を読みました📚

初版2012年の本ですが、日経の広告で見てポチッと購入。昨年6月に17刷のロングセラーで今読んでも本当に勉強となる一冊です。

ポイ積は読んだ本で残しておきたい、記録しておきたいところには蛍光ペンで線を引くのではなく、ポストイットを貼り付けるのですが、まさにポストイットだらけ。以下記録はネタバレっぽくなる部分もあるのでご注意ください。

 

 

【ポイ積メモ】

  • 戦略の基本は、最も弱いところにこちらの最大の強みをぶつけること、別の言い方をするなら、最も効果の上がりそうなところに最強の武器を投じることである。
  • 組織が複雑になるほど、あちこちの利害に配慮して、リソースを集中投下せずに満遍なく配分する傾向がある。➡️「砂漠の嵐」作戦のように教科書通りの定石中の定石が、実際に行われることの難しさ。
  • 矛盾する目標を掲げたり、関連性のない目標にリソースを分割して配分したり、相容れない利害関係を無理に両立させようとしたりするのは、資金も能力もあるからこそできる贅沢である。だがそれらはどれも悪い戦略だ。
  • ダビデは自らの強みに気づき、敵の弱みを発見して、戦いを一気に有利にした。相手が持っていないもの、気づいていないものをどうやって見抜くか、そしてこちらの強みをどこに見出しどう活かすか。その強みは視界の外れの方に存在し、微かにきらめくだけで、余程注意を集中しないと見えてこない。
  • ウォルトンは常識を破ったのではなく、店舗の定義を覆した。
  • 悪い戦略の特徴、重大な問題に取り組まない。見ないフリをするか、軽度あるいは一時的といった誤った定義をする。問題そのものの認識が誤っていたら、当然ながら適切な戦略を立てることはできないし、評価することもできない。
  • 悪い戦略とは、戦略が何も立てられていないという意味ではなく、また失敗した戦略を意味するのでもない。悪い戦略では、目標が多すぎる一方で、行動に結びつく方針が少なすぎるか、全くないのである。
  • 悪い目標の特徴、目標を戦略と取り違えている。
  • 頑張ることは人生において大事ではあるが、「最後の一踏ん張り」をひたすら要求するだけのリーダーは能がない。リーダーの仕事は、効果的に頑張れるような状況を作り出すことであり、努力する価値のある戦略を立てることである。
  • どのみちを選ぶのが最も実りが多いかを判断し、自社の知識、資源、エネルギーをそこに集中的に投入する方法を設計することが、リーダーの仕事である。機会も、障害物も、変化も、年1回セットになってやってくるわけではない。したがって、戦略策定は時に応じて必要になるものであって、毎年機械的に行う性格のものではない。
  • 良い戦略は、1つか2つの決定的な目標にエネルギーとリソースを集中投下し、それを達成することによって次々と新しい展開へとつなげていく。これに対して悪い戦略では、いろいろなことを詰め込みすぎてごった煮状態の目標が掲げら獲れていることが多い。
  • 悪い戦略が蔓延るのは、分析や論理や選択を一切行わずに、いわば地に足のついていない状態で戦略をこしらえようとするからである。その背後には、面倒な作業はやらずに済ませたい、調査や分析などしなくても戦略は立てられるという安易な願望がある。つまり悪い戦略は、良い戦略を練り上げるためのハードワークを自ら避けた結果なのである。
  • 戦略は一本の柱、一本の道なのであって、あれこれと願望を表明する手段ではない。真の戦略を保つためには、一つを選んで他を捨てなければならないのである。
  • 戦略を立てる作業の多くは、何が起きているのかを洗い出すことにある。何をするか決めることだけが戦略ではない。より根本的な問題は、状況を完全に把握することである。
  • 彼の抱えていた問題、すなわち汎欧州ブランドを育てたいが、誰にも出て行って欲しくない、という虫の良い願いを叶えてくれる魔法などない。戦略が単なる願望にとどまっている限りにおいて、組織内の価値観の対立は容認される。だが行動しなければならない時には、苦渋の選択をしなければならない。そして戦略で最も重要なのは、そこである。
  • 限られているものを集中投下したときの見返りは大きい。これは一つには、制約があるからだ。リソースが無制限にあったら、どの目標に投入するか、誰も真剣に悩まないだろう。
  • 多くの企業、とりわけ複雑な大企業は、往々にして戦略を持っていない。戦略の要諦はフォーカスにあるが、多くの大企業はリソースをフォーカスできていないからだ。彼らはいくつもの目標を同時に追いかけるので、結局はどれも達成できない。
  • 現実の競争では双方が完全に同等ということはあり得ず、数多くの非対称が存在する。そこで、どの非対称が決定的に重要かを探り出し、それを自らの優位に帰ることがリーダーの仕事になる。
  • どんなことにも秀でている人というのは、まずいない。チームであれ、企業、さらには国であれ、他より秀でているのは特定の条件の下での特定の分野だけ、というのが普通である。したがって、そんな時どんなところで優位に立てるのかを理解することが、それを活用する秘訣と言える。
  • 新しい種を播く方が雑草を抜くより遥かに面白い。だが、定期的に雑草を抜いたり剪定をしたりしないと、庭は荒れてしまうことを忘れてはいけない。
  • あなたにできる重要なことを10項目列挙したリストを作ることをおすすめします。リストが出来上がったら、1番目の項目から実行してください。テイラーが奨めたのは単に重要な問題のリストを作ることではないし、もちろん単なる「やることリスト」を作ることでもない。重要であって、かつ実行可能なことのリストを作るようにテイラーは助言したのである。
  • 戦略的になるということは、近視眼的な見方をなくすということである。
  • 重要な判断を下したら記録に残す習慣をつけることである。そうすれば、事後評価をして反省材料として活用できる。